大阪市・阿倍王子神社

熊野神社の分霊社である阿倍王子神社

阿倍王子神社は大阪府大阪市阿倍野区にある神社です。
かつては阿部王子といい、熊野神社の分霊社である九十九王子の一つでした。

今では大阪府内に唯一現存する王子として、境内の外にある阿倍野清明神社と共に参拝する人も多いです。
また、境内にある鎮み石や孕み石が安産にご利益があるということでも知られています。

九十九王子(くじゅうくおうじ)というのは熊野古道沿いに存在する神社の中でも主に12世紀から13世紀にかけて皇族や貴人の熊野詣の際に先達を勤めた熊野修験の手で組織された一群の神社です。
王子という名前は参詣途上で儀式を行う場所でした。
帰路ではほとんど顧みることがないということから熊野三山を左パイするために物品の補給を行なった場所という説もあります。

この九十九王子の中には五体王子と呼ばれる王子があり、他とは格式が違うと言われています。
また、九十九王子という名前ですが実際には99個ちょうどというわけではありません。
また、大阪地方ではきゅうじゅうきゅうと読みますし、つくもとも読みますが、熊野地方ではくじゅうくと読むのが一般的です。

由緒

阿部王子神社は仁徳天皇によって創建されて平安時代初期である天長3(826)年に弘法大師空海が淳和天皇の勅命で駅男体山の祈祷で功をなして疫病を治癒するお寺という意味を賜ったとされています。
阿倍野は古代の豪族である安倍氏が居住した場所であるため、氏寺として阿倍寺が存在していました。

しかし、平安時代になると安倍氏が調停での勢力を失ってしまい、氏寺も四天王寺に併合されることになってしまうのです。
残された安倍氏の氏神社は当時の熊野信仰が起こったことで熊野九十九王子の一つとしてまた整備が始まります。
この時、阿倍野に鎮座する王子社ということで阿倍野王子と呼ばれる様になったのです。

阿倍王子神社の夏祭り

阿倍王子神社の夏祭りはこの地域ではとても大きなものであり、毎年5万人もの参拝者が訪れると言われているお祭りです。
夏祭りでは鉦や太鼓を鳴らして病魔を追い払い、無病息災を祈ります。

宵宮では氏子の各地区ごとに神輿や太鼓の宮入りが行われます。
本祭である翌日には夏大祭が斎行されて午後からは大神輿や太鼓車などをトラックに乗せて稚児のマイクロバスも合わせると11台もの車が氏子である阿倍野地区内を一巡する渡御式(とぎょしき)というものが行われ盛り上がります。

お祭りらしく、両日ともに神社の周辺には露店が登場します。
露店の数は300にも及ぶとされており、お祭りの規模の大きさが伺えるものです。
地元の人たちにとっては夏の風物詩ですし、近隣に住む人たちにとっても一度は訪れて見物したいと考えるお祭りでもあるのです。